2025年度 理事長所信

 2025年度理事長 吉田 與博

はじめに

 ひとが笑って過ごせる地域をつくるため、明るい豊かな地域をつくることが私たちJAYCEEの使命です。それはいつか、まちのため、ひとのため、家族のためになり、回りまわって自分のためになります。使命とは、命を使うと書きます。命とは時間です。自分の時間を使って明るい豊かな地域をつくる、それが青年会議所という学び舎です。青年会議所は40歳までという厳格なルールがあります。40歳までの限られた時間を使って、自分のため以外に動ける利他の精神を育み、地域のために活動・運動をする。この小矢部青年会議所は先輩方が大切にしてきた歴史ある組織です。小矢部市の近年の歴史を築いてきたと言っても過言ではありません。私達はこれからの小矢部市を築いていく使命があります。

魅力ある組織を繋げていく

 私が小さなころから様々な事業に参加していたこともあり、馴染みのあった青年会議所ですが、入会するまで経営者の集まりにしか思っていませんでした。理事を経験して、地域やひとに関して深く考え、他者の考え方から学び、自分なりに成長してきた自負があります。この組織は事業構築や運営に携わることで青年としての成長が約束された場所であり、仲間との切磋琢磨の上で生涯の友を作ることができる、魅力ある組織であると考えるようになりました。青年会議所に入るまでは、人との繋がりが少なかった私に多くの交流機会を与えてくださったこと。それらがこの組織の魅力であるように思います。このように考えるからこそ、この組織は今後も小矢部に存在し続けなければなりません。まちを想う心を育み、課題解決のために共に行動してくれる同志をつくる場所です。役職に関係なく、組織を次代へ繋げるために英知を集結し全力で会員拡大に挑みましょう。ひとの心を打つ事業を行い、魅力ある組織であることを伝えましょう。

一体感のある組織

 2025年度は、賛助会員や特別会員の力を借りて外から人数はいるように見えますが、実情は正会員が10数名となります。マンパワーが不足しているのであれば、委員会関係なく仕事を分担し、役の垣根を超えた団結が必要になります。理事長だから、他の委員会だから、は通用しません。各々の委員会の事業は小矢部青年会議所の皆の事業です。各々の経験を共有し、相互扶助の精神で組織運営にあたることが必要になります。

ブロック大会の成功を

 今年度、小矢部青年会議所は「第53回富山ブロック大会」の開催を予定しています。富山ブロック大会は富山県内の青年会議所、会員同志が志をひとつにし、より良いまちづくりを目指し、「明るい豊かな社会」を実現するための富山ブロック協議会の発信の場です。小さいLOMでは実施できないと考えてはいけません。リーディングLOMとして、富山県内や他県のLOMに参考にされるような方法を示さなければなりません。この大会を成功に導くには主催である富山ブロック協議会と連携を密にして共に取り組んでいくことが必要です。主管する青年会議所として、富山ブロック協議会と連携し、富山県の各地会員会議所のメンバーや市民の方々に小矢部市の魅力や富山ブロック協議会の運動を最大限発信するとともに、我々の考える理想のブロック大会の実現にむけて取り組みます。今後のまちづくりの原動力として、各々のメンバーの経験として、成長の機会にしていきましょう。

健全な事務局と情報発信

 事務局の運営は、この組織の土台になり、小矢部青年会議所が社会のために存在していくためには必要不可欠です。会議の運営や総務、財政管理を担う、大変重要な業務を行います。時代に即した、ICTの活用、ペーパーレス、クラウド管理は政府も推進しています。それらに対応できるようにメンバーのフォローも必要です。事務局が業務を滞りなく行えるように、メンバーにおいても締め切りの厳守や早いレスポンスが求められます。 SNSを活用し、自分たちの活動を地域の方の目に入るようにし、青年会議所は何をやっている団体なのかを見てもらいましょう。小さなことの積み重ねが地域での信頼を勝ち取り、存在感を高めます。事業の都度の発信では市民の興味を惹きつけられません。個人の魅力、小矢部青年会議所の魅力を発信していきましょう。今までのやり方に拘る必要はなく、取捨選択を繰り返し、時代の先を行く運営をしていきましょう。

地域の団体と繋がる

 昨年、小矢部青年会議所の先輩方が1990年にメルヘンまつりとして始めた火牛祭りが35年の歴史に幕を閉じました。その一因に人材不足があります。小矢部には多くの団体が活動していますが、相互での連携は一定の団体間のみで、日頃からの関係性が乏しい現状です。昨年度の小矢部青年会議所では、市役所と連携し石動駅前を活用して石動まちフェスを開催し、多くの人出を創出することができました。市役所のみならず、もっと多くの団体と日頃から関係を築き、相互の関係性を模索することがよりインパクトのある事業に繋がります。私たちがハブとなり市内の団体との関係を繋いでいくことが必要です。他団体との連携を模索し、相互扶助の関係を築くことが小矢部市には必要です。

小矢部らしいまちづくりを模索する

 最盛期には38000人近くいた小矢部市の人口は、この40年で28000人を割り込みました。小矢部市の人口は、このままの状態であれば2045年には20000人、2065年には14000人となることが推測されているデータもあります。東京一極集中や少子高齢化の流れは自分たちではどうしようもありません。石動の町の人口密度も下がり、郊外に街が拡がっている現状、まちづくりのテーマが定まっていない中で、今を生きるこども達が将来の小矢部市に魅力を感じて、誇りをもつことができるのかは定かではありません。私が物心ついた時からメルヘンのまちと言われていますが、建物の老朽化が進む中で取り壊された建物もある中で、いつまでそれが続くのかは不透明です。テーマを持ったまちづくりや行事等を考える時期に小矢部市は差し掛かっています。20年後、40年後もこの地域の発展を願い、こどもたちが地元に誇りを持ち、住みたいと思うまちをつくることが大切です。地方において、まちの魅力として挙げられるものは、自然・気候・住民の繋がり・文化歴史などの「地域らしさ」があります。今一度、「小矢部らしさ」を踏まえた上で、これからも住みたいまちをつくることに対しての働きかけが必要です。

青少年の豊かな心を育む

 小矢部青年会議所の代表的な継続事業として40年近い歴史がある「わんぱく相撲大会」が長きに渡り継続できているのは、先輩方と地域の皆さまに支えられてこられたからです。こどもたちにスポーツとしての相撲を通し、勝つ喜び、負ける悔しさを体験するだけではなく、取組後に感謝の気持ちを持って礼をすることで勝ち負けに関係なく、互いを敬い思いやる心を育んできました。こどもの持つ力、成長する力を信じ、こども同士での体験を通して、お互いを大切にすることを学ぶ機会を保障していきましょう。近年、小矢部場所では出場者が減っている中で、参加者に相撲の魅力を伝え、相撲に興味を持ってもらうことが必要です。

家族が誇れる存在になる

 私たちが青年会議所活動・運動を行う上で忘れてはならないことがあります。それは家族の存在です。こどもと遊んだり、家族で出かける時間にもなりうる時間を使って、青年会議所活動・運動を行っています。私たちが活動・運動できるのは家族や会社が支えてくれていることを念頭に置いて、青年会議所で得たものを家庭や社業に持ち帰り、より良いものにしなければなりません。家庭や会社での自身のあり方を見つめ直し、家族や社員から背中を押してもらえる存在になりましょう。家庭でも会社でも、誇れる存在にならなければいけません。時間を作る努力を行い、家族との時間を大切にしていきましょう。また、青年会議所を理解してもらうのではなく私たちを知ってもらいましょう。メンバーと家族との交流、家族同士の交流を行う中で得られる絆が、明日の私たちの活動・運動に繋がります。多くの絆に結ばれた団体になりましょう。

災害に備え、奉仕の心を持つ

 昨年、1月の能登地震に9月の能登豪雨と災害が続きました。身近な街で起こる災害は私たちも他人事ではありません。困った人や地域があるときには、青年団体として率先して動く必要があります。小矢部市、小矢部社会福祉協議会、小矢部青年会議所の3者間での災害時における協定を昨年に締結しました。今後も青年会議所のネットワークを活かし、必要に応じて他の地域とも連携しながら有事に備える必要があります。ボランティアなどの要請などにも積極的に参加して助け合いの心、奉仕の心を持つことが大切です。

むすびに

 私はよく、どうしてこのまちに生まれたのだろう?と考えます。今の時代は3人に1人は東京圏に生まれます、都市部に生まれる方が確率が高い国です。それでもこのまち町に生まれ育ったわけを考えます。これらは偶然や運命としか言えませんが、あなたが私と同じ時代に、小矢部青年会議所で出会ったことも巡り合わせや何かの縁でしかありません。私たちの一生に一度の出会いに感謝し、共に誇りを持って、より良い小矢部市を創造してみませんか?
 小矢部青年会議所には、相手を思いやり、共に汗をかいてくれる親友とも言える仲間が多くいます。困ったときには親身に相談にのってくださる先輩方がいます。家にはいつでも温かく迎えてくれる家族がいます。会社には、あなたのさらなる成長を期待する社員がいます。地域には、私たちに期待する市民の方がいます。私たちは多くの方に支えられていることを日頃から忘れてはなりません。
 決して後ろを振り向かず、新しいことに挑戦しよう。自分の直感や行動に従う勇気を持ち、柔軟な発想で行動できるJAYCEEになろう。さぁ、熱い想いを持ってみんなで立ち上がろう。決して一人ではない、力を合わせて熱く生きよう。私たちがJAYCEEであることを誇ろう!